インプラントとは?
虫歯や歯周病、事故などによって歯を失ってしまった場合、元の状態に近づける方法として挙げられるのが、「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つの治療方法です。
なかでも、私たちがお勧めするのは「インプラント」治療です。インプラントは、あごの骨にチタン製の人工の歯根を埋め込み、それを土台にして人工の歯を装着する治療方法。
失った歯の周囲に残っている健康な歯を削るなど、ほかの歯に負担をかけることなく治療できる上に、見た目の美しさや機能的にも優れた最新の治療法です。
インプラントの特徴
- 何でもよく噛める
- 入れ歯のような不快感がない
- ブリッジのように他の歯を削る必要がない
- 他の残っている歯を守ることができる
- 見た目も美しい
日々進化するインプラント治療を学び続けています
私・長谷川は、日本口腔インプラント学会と国際インプラント学会(AIAI)の両方に席を置き、認定医の資格を得ています。
AIAIとは、ドイツに本部がある国際的なインプラント学会で、認定医になるためには、学会が実施している認定試験や症例提出をクリアし、インプラント認定医としての高い技術・経験を認められる必要があります。
さらには、認定医資格に甘んじることなく、日々進化し続ける情報を得て、技術を高めるために、ニューヨークやスウェーデンへも出向いて、最新のインプラント治療を学び続けています。
インプラントを成功させるための設備を完備
当院では、医師が常に勉強と経験を積み、技術を高める努力を続けるとともに、「他の空間から隔離されたオペ室」や「安全・確実な治療を可能にする歯科用CT」などを完備して、確実でハイレベルな治療を実現しています。
歯科用CTで確実な治療を~骨の中身を事前にチェック
歯を支えるあごの骨には窪みや傾きがあり、神経や血管が多く通っています。その流れは複雑で、レントゲン写真では、骨の影になった神経や血管を確認できません。
複雑な神経系や血脈な流れ、筋肉や骨の構造をより良く把握するために、CTは欠くことのできない設備です。
インプラント歯科医にとって、CTは言わばナビゲーション。CTを使えば、死角のない手術が可能です。
また、院内にCTを完備していない医院では、大学病院・提携クリニックでCT撮影を行うため、撮影までの期間が長くなったり、別途日程の調整が必要な場合がありました。しかし、当院では院内にCTを完備しているため、治療をスムーズに進めることが可能です。
- 歯科用CTの導入メリット
-
- インプラントを入れる位置、方向のシミュレーションが可能
- 難易度の高い場合でも手術できる
- 事前の確認が可能なため、メスで開くことが少ない⇒患者さまの負担軽減
- 治療時間の大幅な短縮
専用のオペ室を完備しています
インプラント設備インプラント治療は、生体に生体外物質を移植する手術を伴うため、手術器具等の滅菌も高レベルを維持することが必要です。患者さまに安心してインプラント治療を受けていただけるよう、当院では、通常の歯科治療のスペースとは別に、インプラント用のオペ室を完備しています。
院内感染を防いでインプラント手術を成功させるために、オペ室のほか、器具の洗浄機・滅菌パック・滅菌器による滅菌システムなどによる感染対策も徹底し、無菌室に近い環境体制になるよう心掛けています。
ウトウトしている間にインプラント手術~静脈内鎮静法
静脈内鎮静法「インプラントには興味があるけど、どうしても手術が怖い」という方もきっと多いはず。そこで、当院のインプラント手術では、専門の麻酔医による"静脈内鎮静法"といわれる特殊な麻酔方法を導入しています。
この麻酔の特徴は、半分寝たような状態で手術を受けることができること。ハンモックでゆらゆらと揺られているような状態を想像してみてください。静脈内鎮静法での治療は、まさにこんなイメージ。もちろん、治療中の記憶はほとんどありません。ですから、治療があっという間に終わる感覚です。
この麻酔によって、多くの患者さまがインプラント治療を成功させています。
当院で実施しているインプラントの術式
インプラントの術式インプラントには、さまざまな術式があります。当院では、歯を抜くと同時に、その穴にインプラントを埋入する「抜歯即時インプラント」という方法も行っていますので、ご希望の方はご相談ください。
ただし、患者さまの歯や歯槽骨の状態などによって、採用できる術式と、できない術式があります。個々のケースに最も適した方法をご提案しますので、まずは一度ご来院ください。
骨造成手術/GBR法
インプラントを埋入する部位の骨が不足していて、インプラントの一部分が骨から露出してしまう場合に、そこに骨を作り、インプラント全体が骨内に収まるようにするための技術です。 歯槽骨が不足している部分に、粉砕した自家骨もしくは骨補填材を置き、その上にメンブレンという人工膜を置いて骨の再生を促します。個人差がありますが、4~6ヶ月で歯槽骨が再生されインプラントの安定性が確保されます。
ソケットリフト
上あごの奥の骨が薄い時に、鼻の空洞の中を押し上げ、そこに骨を追加してインプラントを同時に埋め込む方法です。 インプラントを埋める部分から押し上げるので、傷口が小さくて済む点がメリットです。
サイナスリフト
上あごの奥の骨が極度に薄い(5mm未満)時に、口の中から鼻の空洞に穴を開け、骨を足し(骨造成)、そのあとにインプラントを埋め込む方法。ソケットリフトとの違いは、上あごの奥の骨の厚さに依存します。
一般的なインプラントの治療の流れ
STEP 1 診査・診断
インプラント治療に必要な診査と診断をパソコンで分析し、治療計画を立てます。
STEP 2 一次手術(インプラント埋入手術)
インプラントを埋入する部分の歯肉を切開し、あごの骨にインプラントを埋入した後に、開いた歯肉を縫合します。
この後、下あごで4ヶ月、上あごで6ヶ月程度の時間をおき、骨とインプラントがしっかりと結合するまで待ちます(期間は個人差があり、骨の質によっても異なります)。
骨とインプラントの結合を待っている間は、必要に応じて仮歯を入れますので日常生活には差し支えありません。
STEP 3 二次手術(新しい歯を装着する準備の手術)
再び歯肉を開いて、インプラントに支台部(歯を直接支える部分)を接続します。
この後、3週間から1ヶ月程度の時間をおいて歯肉の治癒を待ちますが、この期間も、必要に応じて仮歯を入れますので日常生活には差し支えありません。
STEP 4 新しい歯の製作と装着
歯を製作するために型をとり、その型に従って人工の歯を製作。人工の歯を支台部に装着したら完成です。
保証期間は10年です
インプラント治療終了後、定期検診にメインテナンスを受けていただけている患者さまには、インプラントのトラブルに関して10年間、保証させていただいています。保証期間中の破損、脱落および不具合は、一定割合医院負担にて修理、再装着または再製作いたします。
ただし、患者さまの不注意や事故、外傷など、当院の責任ではない場合や、当院の指示にない使用法をされていたり、メンテナンスに応じていただけない場合のトラブルに関しては、全額が患者さま負担となることがありますのでご注意ください。
治療後のメンテナンスが「長持ち」の秘訣です
インプラントは、歯みがきなどのお手入れをきちんと行っていれば、とても長持ちします。逆に、ケアが不十分であれば、歯周病と同じような状態になり、機能を失ってしまうこともあり得ます。
そのため、当院では、インプラントのメインテナンスは慎重かつ丁寧に行っています。3ヶ月~4ヶ月に一度は定期検診を受けていただき、インプラントの状態をチェック。それによって、より長く、快適に使用していただけるよう努めています。
歯がキチンと機能しているか、頬などを噛むことがないか、話しにくくないか、などをチェックすると同時に、歯垢や歯石の沈着を予防するため、インプラントの形をよく理解した上で確実なブラッシングができるよう、歯みがき指導も行っています。
光機能化技術
【セラビーム アフィニー】インプラント体と骨の結合状態を最善に
当院が導入しているセラビーム アフィニーは、インプラント体(チタン)に特殊な処置を施すことにより、骨と密着しやすい状態を作り出す最新機器です。日本の限られた施設のみに使用許可がおりているもので、現在、日本でこの機器を設置している医院は0.5%未満です。
インプラントの材料であるチタンは、生体親和性が極めて高く、骨と結合するという特徴を持っています。しかし、製造から長い時間が経過したチタンの場合、骨との接着力が劣化していて、せっかくインプラントを入れても骨とうまく結合しないケースがありました。
ところが、最近の研究により、チタンに紫外線を照射すると接着力が回復するということが解りました。これにより、インプラント体と骨の結合状態が最善の状態に保たれるため、インプラント手術の成功率がより向上しています。
- 光照射器のメリット
-
- インプラント体と骨の結合状態が最善の状態に保たれ、短時間で治療完了できるといわれている
- インプラント手術の成功率がより向上すると考えられている
インプラント・ブリッジ・入れ歯の比較
ブリッジ |
入れ歯 |
インプラント |
|
治療法 | 歯を失った場所に人工の歯を、両隣の歯を土台にして、人工の歯を支える方法 | 歯を失った場所の周囲に金属の留め金をつけて固定させる方法。取り外しが可能。 | 失った歯根の代わりに人工の歯根(インプラント)を埋め込み、その上に人工の歯をかぶせる方法 |
メリット |
・装着しても違和感があまりない ・審美性に非常に優れている ・保険が適用できるケースがある |
・ブリッジでは適応できないような大きな欠損に有効 ・健全な歯を削らずに補える ・保険が適用できる |
・違和感なく噛むことができる ・噛む力は天然歯の約80%回復するので、固いものを噛むことができるようになる ・隣の歯を削る必要がない ・審美性に非常に優れている |
デメリット |
・両隣の歯を削る必要がある ・支えになる歯には大きな力がかかる為、将来的にその歯を失うことの原因となる場合がある ・ポンティック(ブリッジの橋の部分)の下部の歯肉との間の部分に食べ物カスがつまり、口の中が不衛生になりやすい |
・噛む力が健康な状態に比べて30%~40%くらいになる ・取り外して手入れをする必要がある ・口の中に違和感を感じやすい ・食物が挟まって口の中が不衛生になりやすい |
・顎の骨に埋め込む為の外科手術が必要 ・定期的な検診(メインテナンス)を怠ると長くもたない ・保険適用外の為、高額である |
インプラントに関する質問
治療前
何らかの原因で失われた歯のかわりに、顎の骨に人工の歯根(インプラント)を植える方法です。
インプラント体に使われる素材は、生体親和性の高い「チタン」が使用されており、ほとんど生体に異物防御反応をおこさせることはないといわれています。
形態は棒状の単独植立。顎の骨に植える部分はらせん状になっており、骨がつきやすい(骨性癒着:オッセオインテグレートと言います)ように加工されています。
健康な18歳以上の方なら問題ありません。高齢者の方も問題なく治療ができます。
できます。骨がどの位残っているかが問題ですので、条件が良ければ非常にやりやすいかもしれません。
「何でもよく噛める」「入れ歯のような不快感がない」「他の残っている歯を守ることができる」など、さまざまなメリットがあります。最近では、「しっかり噛むことで老化防止や癌予防にもつながる」とも言われ始めています。
●外科手術が必要です――とはいえ、手術中の痛みはほとんどありません。患者さまが希望であれば、寝ている間に手術をすることもできます。
●噛めるまでに期間がかかる――通常のケースでは数ヶ月はかかりますが、患者さまの状態により、手術をした日に噛めるようにすることも可能です。
●費用がかかる――インプラントは健康保険を適応できないため、費用がかかります。しかし、インプラント治療を行ったことによる健康への寄与を考えると決して高い費用ではないと思っております。また、万が一何かあった場合には保証もついておりますので安心です。
噛み合わせなどを含めて総合的に診断を行い、治療計画を立てますので、問題はほとんどありません。
糖尿病は一般的には、インプラント治療はできないとされています。しかし、医師の管理のもとで、コントロールされている軽度の糖尿病の方は治療を受ける事ができます。
ただし、患者さまによって症状が違いますので、ご相談の上最適な治療法を提案いたします。
インプラントはチタンでできています。
チタンは金属の中でもかなりアレルギーは少ない金属です。しかし、もしチタンアレルギーの方にインプラントを入れると、インプラントが抜けてきます。チタンアレルギーの疑いがある場合はパッチテストなどで調べる必要があります。
18歳未満、心臓病、重度の糖尿病、重度の骨粗しょう症など健康状態が著しく悪い方は適しておりません。心配な方はご相談ください。
被せ物は金属であれば壊れませんが、セラミックなどの素材では壊れたり、かけたりする事が稀にあります。とはいえ、保証期間がありますので保証期間内であれば保証内容にて再治療します。
患者さまの状態によります。具体的には骨の硬さとか、骨の厚みなどにより違いますが、状態がいい場合、その日のうちにインプラントを埋入し、仮歯を入れることができます。一度、ご相談ください。
基本的には、歯科医師免許さえあれば誰でもインプラント治療は可能です。とはいえ、大学病院などの施設でしっかり研修を積んできた歯科医師による治療が安全だと考えております。
なかには外科手術の経験が少ない歯科医師もいますので、よく質問し検討してください。
骨の少ない方は骨を増やす手術(GBR法、サイナスリフト法、スプリットクレフト法など)を行えば、問題ありません。ただし、これらの手術には、外 科手術を必要とします。外科的な負担が少ない方がいいという方は、ショートインプラントなど負担が少ない方法を選択しております。
喫煙者は絶対にインプラント治療が受けられないというわけではありません。とはいえ、喫煙はインプラントだけでなく、歯周病に対しても症状を悪化させる原因のひとつです。
タバコを吸われる喫煙者は、非喫煙者に比べインプラントの成功率が低いことが、学会の発表でも証明されております。タバコのニコチンによる血流阻害や血管収縮はインプラント治療に悪影響を及ぼすからです。
血圧は薬でコントロールされていれば、問題ありません。
しかしながら、服用されている薬や症状など一人ひとりケースが異なる内容となりますので、事前に必ずご相談ください。
手術に関して
インプラントの手術は局部麻酔をかけますので、痛みはありません。
当院では、最新の技術を使用して、痛みの少ない治療を行っております。
以前のインプラントご存知の方は、「大変な手術をして入れるもの」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。しかし、ここ十数年で素材や形態・植える方法が改良され、以前より簡単に処置できるようになりました。
最近では、素材が良く処置が以前に比べて簡潔になったことから、インプラントの件数も増えてきました。また、長期的にも機能することも分かってきました。
しかし一方で、やはりケアの重要性と適応症例の幅が問題となっております。まずは、全身疾患がなく喫煙されていない方が条件になってきます。喫煙は予後が悪く数年しか持たないケースが多く報告されております。
成功率は90%の後半です。失敗の原因は色々ありますが歯周病菌などの感染などが考えられます。とはいえ、再手術を行うことができます。
1~3本ぐらいであれば、1時間〜1時間半ぐらいで終わります。また、骨を作ったりと複雑な手術になるともう少し時間がかかります。
器具の取り替え時など、患者さまが口を楽にする時間を設けておりますので、どうぞご安心ください。
早い方なら、約2ヶ月程度で正常に噛めるようになっています。ただし、患者さまの食いしばりや歯ぎしりなどにより、多少伸びる場合もございます。
また、歯周病治療直後のインプラント埋入など、手術のリスクが高かった場合は、少し様子を見なくてはいけないためさらに数ヶ月かかります。
入院は必要ありません。一応手術後は安静にしていただくように説明しておりますが、デスクワークなどの事務処理などの仕事は差し支えないと思います。
患者さまが再手術を望めば、もう一度インプラント手術を行います。再手術の費用は保証内で行います。
治療後に関して
堅い物を噛むと歯が割れる時があるように、あまり堅い物はやめた方がいいと考えております。普通に食べられる物であれば問題ないと思います。
害はないと考えていただいても、差し支えありません。ただし、チタンアレルギーの方は注意が必要です。万が一チタンアレルギーがあった場合、しばらくすると抜けてしまうからです。
軽度の場合は歯周病の治療を行います。重度の場合は手術が必要となってきます。場合によっては抜くしかできないこともあります。とはいえ、定期検診に通うことで歯周病の予防ができます。
外観からインプラントをしていることに気づかれることは、まずありません。
インプラント治療において重要なのが、前歯の治療になります。近年この問題を解決すべく、さまざまなタイプのインプラントやそのパーツが開発されました。
ですから、食事中に外れたり、カタカタ音がしたり、会話中発音障害などもほとんど起こりません。インプラントは自分の歯と同じように何でも噛め、食事を楽しむことができます。
患者さまによっては外科的刺激が大きくなり少し腫れることもありますが、それ自体は手術に対しての当然の反応なので心配はいりません。多くの方は3~4日後に腫れがピークとなり、約1週間ほど経てば完全に収まります。
できるだけ運動は避けてください。体が温まると血流が盛んになり痛みが出たり、出血の原因になります。また体が疲れると抵抗力がなくなり治りも悪くなります。
ほとんどの場合、術後3~4時間ぐらいで麻酔が切れます。しびれが切れれば食事をしても大丈夫です。ただ、できるだけ手術をしてない箇所で食べ物を噛んでしてください。また、できれば柔らかい物をいただいてください。栄養をとった方が抵抗力がつきますので早く治ります。
できれば軽いシャワー程度にしてください。体が温まると血流が盛んになり痛みが出たり、出血の原因になります。
手術した部位の歯ブラシは避けてください。縫い合わせている糸が切れたり傷口がひらいたりしますので、他の部位を歯ブラシで丁寧に磨くことをオススメします。汚れると感染の原因になるからです。
その際、歯磨き粉は使わないようにしてください。また、歯磨きの後の「ぶくぶくうがい」もしないようにしましょう。どうしても、という方は軽くゆすいでツバを吐く程度でお願いします。
痛みがなくても抗生物質と痛み止めは服用してください。感染予防と炎症を和らげる効果があります。
ほとんどの場合、仮歯もしくは入れ歯を入れるようにしております。手術によってはすぐ入れられない場合もあります。ご相談ください。
インプラントはチタンのため虫歯にはなりませんが、歯周病にはなります。また歯周病になると非常に進行が早いため、予防するために定期的にクリーニングが必要です。
自分の歯と同じように考えていいと思います。自分の歯で噛める物はインプラントでも噛めます。
手術当日は、激しい運動、入浴(長湯しなければシャワー等は問題ありません)、飲酒も避けてください。また、感染を防ぐため、出された薬をきちんと飲んでください。うがい薬は手術翌日から使い、患部を清潔に保ってください。
患者さまのお口の中の衛生管理に大きく関係してきますので、お口の衛生状態が悪いとインプラントの寿命が短くなる場合もあります。
インプラントの歴史は1950年から始まり、実用化されたのは1965年からです。実例として、1965年にインプラントを行った患者が亡くなるまでの41年間問題なく機能しておりました。
つまり40年間耐えられる実績は証明されております。常に衛生状態を良好に保ち、担当医師や衛生士の指導に従っていただくことが大切です。インプラントの10年生存率は95~97%前後です。
インプラント体ともとの歯の根の太さが異なることに起因します。
歯と歯ぐきとの隙間が天然歯の時と全く同じ状態にならないことが関係しています。
もちろん人工歯を製作するときは詰まりにくいように色々な工夫をして設計するのですが、食べ物がつまらない形態というのは詰まってしまった汚れを逆にとりにくく、歯ブラシしにくい形態なのです。
歯磨きのしやすい形態も考慮していますのである程度はブラシでうまく対処していただくことが必要ですが、ちょっとした修正で改善できる事もありますから主治医にご相談ください。
天然歯には、歯とあごの骨の間に歯根膜というクッションがありますが、インプラントにはこのクッションがないので、噛んだときの力が骨に直接伝わるためです。周りの歯とのバランスを考えながら噛み合わせの調整をします。
多くの場合、インプラントの過重負担とインプラント周囲の感染症が原因です。
揺れているインプラント体を、ムリにお口の中に残しておくと、周囲の骨がさらに無くなってしまいます。早期に取り除くべきです。インプラント体を取り除いて骨と粘膜が治るのを待ち、再び新しいインプラントを植立するか別の治療法を選択するかを検討します。
感染に関しては、インプラントも歯と同じように歯周病にかかる事があります。
病気や免疫・体調の変化で、さらに加速する事もありますから、日ごろのプラークコントロールは重要です。また、ちょっとしたかみ合わせの変化が、インプラントをだめにしてしまう事もありますので、定期検診は必ず受けるようにしてください。
上顎洞炎の可能性があります。上顎の上方には上顎洞という鼻に通じる空洞が存在します。(この上顎洞の役割は今だ解明されていません)
歯やインプラント体の先端は、この上顎洞と接近しているために、細菌感染が起きた場合、この上顎洞にも炎症が波及してしまう可能性があるのです。天然の歯でも見受けられる症状です。
歯槽骨(あごの骨)は、加齢とともにある程度吸収していきます。インプラント周囲骨も例外ではなく、骨はある程度失われていきますが、過重負担や感染、免疫のバランスが崩れると骨吸収はさらに加速します。
インプラント周囲骨が大きく吸収してしまった場合、もしかすると同じ部位へのインプラント再治療は不可能かも知れません。その場合は別の治療法を検討することになります。骨吸収をいかに最小限に抑えることができるか、ということがインプラント治療の今後の課題です。
歯のない期間が長期に及ぶと、歯のなかったスペースに頬や舌が入り込んできます。そこに新しい歯が入ると頬や舌の筋肉がその変化に対応できずに、舌や頬を噛んでしまう事があります。
筋肉は徐々に慣れていきますから、心配はありませんが、一度噛んでしまうと腫れてふくれるので、また噛んでしまうという悪循環が生じてしまいます。
お口の中の環境が変化したためです。これは慣れなのですが、慣れる期間については個人差があります。